はじめに

200名を越える歴代部員が20年の永きにわたって刻み込んだ輪跡は、いくらページをさいても書き尽くせるものとは思えませんが、いい機会ですからここにまとめてみることにしました。

私たちが直接知るクラブの姿はここ数年ぐらいのものですし、過去を知る手がかりとなる『部誌』と『銀輪』もすべて残っているわけではありません。『銀輪』も記録というよりは文集という要素が強くて、部史をまとめる資料としてはやはり不足を感じました。もっともこれが『銀輪』のおもしろいところなのですけど。

個人のツアーにしても走った場所や距離の大小にかかわらず貴重な財産ですから、それに優劣をつけるのはどうかと思いますが、すべてを載せるわけにもいかないし、わかるものも限られています。

そこで今回はいわば基礎工事にあたる仕事だと割り切って、ごく簡単にまとめてみました。ツアーについては海外などの特に目だったものだけにしました。不足しているところ、あるいは誤っているところがあると思います。そのような点は次回からの会報に「○○年の春合宿」・「亥子の起源」などと寄稿していただければどうでしょうか。本当のクラブ史を記すことができるのはその時代に活躍された人たちをおいて外にはいないと思います。皆さんがこの20年史をご覧になって、当時の思い出や20年の中での自分の存在、さらにそこで爆発したエネルギーを感じとっていただければ幸いです。

なお初代部長の幸田盛堂氏からクラブ設立当時の資料を送っていただきましたが、たいへん興味深いものなのでそのまま掲載させていただきます。

さて現役諸君。これはOB会報だけれどこの部分は是非とも君達に読んでもらいたい。今のクラブ行事は確かに成熟して安定したものだが、毎年のように与えられたものをただ消化するだけに終ってはいないか。今、クラブで行われているすべての行事は、代々の部員たちが新しい可能性に挑戦するために開発してきたものだ。現在の活動量はもう飽和状態になっているかもしれないが、大いなる決断をもって新領域を開拓し、チャレンジャースピリッツにあふれる阪大サイクリング部の最先端にいることを感じて、おおいに頑張って欲しい。

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